絵描き虫さん、素敵なピクチャー?
お仲間にいれて!
くねくねと、まるで葉に絵を描いたように食事跡を残すため、別名「エカキムシ」とも呼ばれています。正体は、成虫でも1〜2ミリの小さなハエ、「ハモグリバエ(エカキムシ)」の幼虫。表面と裏面の輪郭はちゃんと残して、葉の中の養分だけを食べる虫のようです。ハモグリ(葉潜り)と名付けられたように、幼虫は葉の表面ではなく葉の中にいて、産み付けられた葉っぱ1枚の中だけの広さが成長の場。葉っぱの養分を食べた跡には幅1~2mmくらいの白い筋が残ります。わたし、未だ、幼虫や成虫らしきものに出会っていません。下の写真はもしかして、ハモグリ(葉潜り)でしょうか?あくまで、勝手な想像ですが。
オクラの大きな葉の先端がグルグル巻きに?葉は穴がたくさん開いて小さな黒い胡麻状の粒が多数、付着している。先端を切って広げてみると、なんと小さな幼虫が居る。遂に絵描き虫の正体、見つけたりと思ったんですが、なんか変だなあ?ワタノメイガでした。
そういえば、ヘチマの葉の先端があんな風になってるのは見てません。わたくしの錯覚でした。この野郎でなく!又、恋人探しですか?
ワタノメイガの幼虫
ハモグリバエの仲間は200種以上もいるそうです。その一部が農作物の害虫となってます。殺虫剤が全く効かない「マメハモグリバエ」の被害は深刻で農家にとって大変。ところで、今年は前年度のゴーヤカーテンからバトンタッチして、ヘチマカーテンにして暑さしのぎと大きな緑の葉、黄色い大き目な花、実を楽しんでます。小さなアリコが忙しそうに下から上に行ったり来たり。なに事ですか?なんか愉快ですよ。葉も綺麗です。今まそでは竹林の側の広い畑をやってまして、ついでって言うとヘチマに失礼ですが、なんの苦労もなく栽培してたので、ヘチマタワシとヘチマ水だけしか印象にありませんでした。現在は毎朝、ウッドデッキに出る大きなガラス戸を開けて先ず、ヘチマに挨拶してから畑の点検が始まり、水やりを終え、室内に戻って来ます。その間、日々の変化を色々と見るわけです。前述したように自宅では主にプランタンでの野菜の栽培なので当然、いままでとは違う発見もあるわけです。ここで、改めてヘチマはどう言う植物?
雌花の下にきゅうりの様な実
黄色の素敵な花
名前の由来
繊維が多い実を付けることから、もともと「糸瓜(イトウリ)」と呼ばれていましたが、次第に「とうり」へと呼び方が変わりました。その後、とうりの「と」をいろは歌の中に当てはめて、「へ」と「ち」の間にあることから、今では「へち間(ま)」と呼ばれるようになったそうです。
体のつくり
花は黄色で、花びらが 5 つにさけている。めばなとおばながあり、めばなの根(ね)もとに小さいキュウリのようなふくらみがある。
葉は、てのひらのように深くさけて、先がとがっている。
くきは、細長くて、まきひげでほかのものにからみつく。
実(み)は、長さが 30 ~ 60 cm の細長いつつのような形で、先が少しふくらんでいる。たてに浅(あさ)いみぞがある。前述しているアリコの行動が気になります。忙しそうに行ったり来たり。アリは、ヘチマの葉を食べに来たのでしょうか。アリは、葉のうら側に回りこみました。ヘチマの葉のうら側には、なんだか丸いつぶがあります。じつは、このつぶはヘチマが出した甘いみつです。葉のうらにはみつを出すところがたくさんあります。アリは、このみつを吸うためにやってきたのです。他の虫もきました。これはウリハムシ。植物の葉を食べます。なんと、アリがウリハムシを見つけて、おいはらっています。こちらはガの幼虫。これも葉をたべます。やはり、アリがおいはらいました。ヘチマはみつでアリを呼びよせ、葉を食べる虫から守ってもらっているのです。アリにまもってもらうヘチマは、虫に強い植物だといわれています。夏に向けて、ぐんぐん成長を続けます。アリコが他の虫を追い払ってくれてるのです。納得です。それにしても絵描き虫さんの名画には複雑な思いになりますね。この際、迷画家のTも素敵な緑のヘチマ葉のキャンバスに参戦です。というか絵描き虫さんとのコラボです。
マメハモグリバエ成虫。体長約1.7mm
マメハモグリバエ幼虫
マメハモグリバエの蛹
防除ハンドブック「トマト・ナス・ピーマンの病害虫」より
一度もお目にかかってないので、上記ハンドブックからの写真を掲載しました。
成虫は灰色の小さなハエ(体長は2mm前後)で目立たないので、通常はお目どおりすることはまずないそうです。お尻に葉を切り裂くための特上の刃物?を持っていて、それで葉の表面を傷つけ、そこから染み出てくる汁液を舐めて主食としています。そのため、葉には直径1mm前後の斑点のような丸い色抜けが起こります。発生が多いと葉に点々と被害症状が現れますが、通常は気づかないそうです。また、産卵も同じように葉を傷つけて葉内に産み付けます。十分に生長した幼虫はトンネルの片隅で、蛹になります。褐色で先の尖った俵のようです。
一枚の葉のなかで蛾の一生が織り込まれてるなんて感動です。但し、絵描き虫さん、程々にしてね。わたくしからのコメント、これ以上ありません。お絵描きでは楽しくコラボしていただき有り難う。
令和3年9月15日 記