Something

Takeshi Hirano

もも日記12

2015.5.8(金)もも”レッスン”ベーシック卒業の日です。K先生の指導を受けて早や、2か月がたちます。
まずは初級ハンドリングテストを受けてみましょう。目標は
①お散歩でリードを引っ張らない
②外でも室内と同様に言うことを聞く
③リードの使い方を覚える
④適切なタイミングで褒め言葉をかける。
テスト項目:
1.タッテマテ 10秒間
2.オスワリ 10秒間
3.ヒールポジションでのアイコンタクト 5秒間
4.クレート又はケージでおとなしく待つ 1分間
5. お散歩マナー:8の字のお散歩コースをリードがたるんだ状態で歩く。
始点と終点はオスワリをさせること。テストと言うだけでTはえらく緊張してますね。それはさておき、ハンドリングとは?扱い、接し方、といった意味合いがあるようです。具体的に言うとワンちゃんにしっかり信頼してもらい、どこを触っても嫌がらない、自由にさせてくれる、体を委ねてくれる、そんな扱い方、接し方を指すようです。その初級のテストということですね。もうテストという年齢でないといっても過言じゃあないのですが、なんか一大決心をしたようです。それだけではないでしょう。
Tは第一線は退いてはいますが、臨床獣医師です。余計まえのプライドが必要以上の気負いになってるかもしれません。ここまできたらそんなこと、ごちゃごちゃ考えない。
やるしかないのです。先生からの「いつもの散歩コースを歩いて見てください。」で我にかえったようです。自宅がスタート地点です。それでも、なんか緊張しています。
先ず、もも、”お座り,マテ”わたしの左対側で、30秒。その間、深呼吸して、背筋を伸ばして、さあ!

ももはTの「お座り、マテ」の指示に従い、しっかりとアイコンタクトしています。

室内での練習通り、①,②,③はクリアーです。Tは先ずはほっとです。幸先いいですね。ところが、リードを弛ませて、いつもの散歩コースを歩きだしました。ももに声かけしながら、進行するのですが、徐々に前方へ行きたがり、Tのリードを握る手に力が入り出し、リードがピンとはってしまい、リードを手繰り、短くし、制御するのですが、思うようにいきません。
Tのこころには動揺が出てきてます。Tと、ももの間の意思は断線したようです。
その時、私達の後方からついて観察されていたK先生の方から声がかかり、ハンドラー交代です。

先生の手にかかると、どうして、こうも違うの?屋外での条件はわたしの時となに一つ変わってないのに。ももは先生の指示を待ちながら行動しているように見えます。先生の持つリードは緩んでますよね。ももは先生と歩けば、安心している。わたしことTと歩けば、ももは安心とならず、散歩を楽しむどころでない。どうして?どこが違うの?

教科書的に

「アイコンタクトのしつけ方は、最初は愛犬の名前を呼び、目が合ったらすぐ褒めるかおやつなどのご褒美をあげて「アイコンタクト」=「よいこと」だと学習させる。目が合ったら褒める、次に数秒見つめ合う、そして徐々に長い時間、目を合わせていられるようにする。」とあります。
出発直後の「お座り、マテ」の時は満足してたのに、状況が少しでも変わってしまえば、結果が出てきません。修正を計るのですが、ももの方はあくまで、自分で判断して行動に移ってるように思えてきます。

わたしの判断に従ってくれません。「ツイテ、もも」と指示をだすのですが、先々、行こうとします。繰り返し言えば言う程、思うように行かないものですからこちらも少々、いらついてきます。声質も無意識の内に変わります。わたしの方はリードを短くして無理矢理、自分の体側にももを引き寄せてます。ももは兎に角、前方に行こうとします。
リードを持つ手に力がはいります。どうして?どうすればいいの?室内では上手くいってたのに。気持ちを切り替えて、ここはちゃんと先生とももの動きを見ようと決意。先生は時折、比較的小さな声と、音質はやや高め、指示は短めにだしてます。
それに先生は姿勢がいい。どう見ても、先生はももと気持ちが一つだなぁ。
ももは先生を信頼しきってる。突然、Tさん、かわりましょうとリードを渡された。五分位経ったかな?わたしは兎に角、先生を真似してみる事だと自分にいい聞かせて、再度、チャレンジです。
先ずは姿勢、背筋を伸ばして、「もも、ツイテ」「お座り、マテ」、指示に素直に従ってくれたももが次に期待しているのはご褒美ですよね。先ずはお利口って伝えられてたかな。ちゃんとももに伝えないと。瞬間でもアイコンタクトをしてたかな?ももを無視してませんか?集中力が足りないね。もも以外の事が頭の中を支配している?このことは今に始まった事じゃない。学生時代の馬術部の練習中、先輩からよく注意を受けていたのを思い出しました。「馬上でなにを考えてるの?」

集中、集中。ところで、屋外はももにとり、不安なことだらけです。モモが反応するよりもいち早く状況判断することが一番なのはよくわかっているのですが。

リードを引っ張る前に釣り人が海底に釣り糸を垂らして魚が餌を突く感触を手元で感じる様に、ももがリードを引き始める時、いち早くキャッチして、停止。「待って」を指示し、出来たら、直ちに「お利口!」って誉めてやって再び歩きはじめる。
自分を越えて進もうとする、その時はこちらから先に行って、兎に角、ももと平行になり、すかさず、アイコンタクトしながら、「お利口さん!」,極力、リードを張らなくてもいい状態を作る。

馬のハミ(轡)に繋がる手綱を持つ騎手の手首に注目。軽く握りながら馬に意思を伝えてる。
ももの首輪から繋がるリードの先端を持つ手首も同様で、ももの行動がリードに伝わってくるはず。だからK先生が持つリードが常に緩んだ状態に維持されているのは伝わってくる振動をいちいち無視せず、リードを通して的確な指示を返信してるから、ももとのコミニュケーションが保てているのでは?
リードに伝わる手首への振動をキャッチすることで。兎に角、わたしはももの事だけを考えてやり切るだけ。K先生の方から途中で、ストップがかったのがよかったようです。
冷静さを取り戻せたのと、自分の行動をチェツクし、曲がりなりでも修正がはかれたのが良かった様で、ももとのコミニュケーションが比較的スムーズとなり、課題をなんとか消化できました。K先生からTさん、お疲れ様です。いくつか課題は残っていますが、合格です。胸を撫で下ろしました。さらに、先生から「JKCの家庭犬初等科訓練試験を受けてみますか?」と言われました。
「いつですか?」「来年の3.4月頃です。」いまから10ヶ月あるので、頑張ってみようと決めました。もも共々宜しくお願いしますと伝えました。丁度、ももが3歳になるころです。

2021.6.15.撮影、もも、現在、7歳です。

令和3年8月20日 記