Something

Takeshi Hirano

2018ツバメストーリー

2018年(平成30年)6月28日から7月8日ごろにかけて降り続いた豪雨は西日本を中心に甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

ところで2018ツバメストーリーの原稿をSomething homepageに掲載する時期が遅れておりました。その間、新たにふ化した雛達が立派に育ち、巣立つ寸前まできています。その様子をツバメstory後記とにあわせてお届けします。

【2018ツバメストーリー】

今年もツバメが当院にやって来てくれました。
昨年、ここから無事に巣立った実績が彼らの世界でも好評価されたのか(ここは雛を育てるには安全性が高いとか?)、去年よりも早く四月の中旬には壁面左側にある古巣で抱卵していました。ところが、二週間目に忽然と消えているでは。どうして?何が発生したの。それからツバメの姿を見なくなりました。
数日後、気になるので巣の中を覗いてみました。中の敷き藁が粉状になり卵の形跡など全くありません。これってどういう事?私、想像するには古巣細菌か黴でも繁殖してしまったのか?卵の形跡など全くありません。感染恐れ、身の危険性を感じて退散したのかな。それにしても残念。今年の雛たちはここでは見れないのかなと諦めていました。
ところが、さらに一週間後、二羽のツバメが駐車場の壁面右側にある監視カメラのうえで何やら相談でもしてるようにも見えなくはなかったのですが、骨休めかなと軽く考えていました。しかしそれ以来、毎日のようにやって来て巣をつくっているじゃあないですか。

大したもんです。この巣から三羽の雛が立派に成長し巣立ちました。今年はこれで終わりじゃあないんです。

可愛いですね。見ほれずに先にいきましょう。
広島の梅雨入り宣言があった頃、ふたたび二羽のツバメが壁面の中央部にある配電盤の扉の上部の右端に交替でくちばしから泥状のものを吐き出してくっつけています。嘘でしょう!巣を作ろうとしているじゃあない。ここはこまる。点検の人が困ります。基礎の一本目のラインのところで拭き取ることにしました。ごめんなさい。ツバメは簡単に諦めてくれません。拭き取っても拭き取っても作ろうとします。一日に何度も。なんか根比べです。三日目でようやく諦めたようです。どうやらツバメ会議で方針転換案が出たようで。なんと古巣跡地の横の監視カメラの上に新居を構えるようにしたようです。(今回、巣立ちをさせた巣を使わなかったですね。)たった三日間でですよ。昔、豊臣秀吉さんの時代の一夜城と重なります。それに見事なおわん型の巣、正に魯山人もビックリ、仰天。ツバメ社会の仕組みにも興味津々。ご夫婦だけでなく、どうみても仲間たちの協力がないと無理ですよ。巣ができるや否や抱卵が始まっていますよ。これ以降のことは次回、報告しますね。

ツバメ story 後記

そろそろ、飛ぶ練習かね。

ここまでおいで。こわいよう。。
いざとなったら、ビビりますよ。
でも、やる、僕。
えーい。飛べた。やった。
がんばったね。やれやれ。

お母さんツバメは
雛たちの成長を背後からじっと見守りながら雛たちに声をかけました。
「そろそろ、飛ぶ練習をしようかな?」
「僕らまだ怖いよ」
「お母さんがついているから大丈夫。勇気だして頑張ってみよう」
「チャレンジ、やってみるか」
二羽のツバメの雛は決断したようです。