Something

Takeshi Hirano

母の命日

一年の内、とくに
六月は私にとり印象深い月です。
母の命日が訪れて来ます。
はやいもので十年の歳月が経っています。

Deskの端に1枚の古い写真がある
色あせて
中央には油性マジックのいたずら書き
学生時代に撮った馬術部の厩舎の写真だ
白樺林の向こう側
毎日通ったなつかしの厩舎
いたずら書きは子どもの頃の息子の仕業だ
今日は母の命日
もう3年が過ぎた
もう一度
写真を見た
40年前の若い日々を思い、胸が詰まった
そして
古い写真のあせた色を
もう一度 よみがえらせてみたくなった

母の写真は いつも笑顔だ
となりの私も ずっと笑顔だ
もう3年
母と息子は ずっと笑顔だ