点滴するネコ達/居候達のユートピアブログ 動物病院の入り口の階段前にこのような形で、私の日常から描きためたスケッチを展示しています。今回のSomethingには上記の中から一部を小文をつけて発信しています。2019.9.12 点滴するネコ達 飼い主さんがそっと手をそえるだけで、じっと皮下点滴を受けている。患者は慢性腎臓病を持つ高齢のネコです。定期的に通院してきます。注射が開始され、しばらくして所定の量に輸液が達してくると、急に一声”ニャン”と小声で鳴く。終わったよと知らせてくれている様だ。何度か繰り返しているとこの子わかってるの?って思ったりする。又ねと声を掛ける。再び”ニャア”って「有り難うございました」と言ってくれている様だ。 患者は診察台の中でも自分の好みの場所を確保してちょこんと座していい子して獣医さんに注射させてくれます。それから所定量がくるまでうとうとしてくれています。 18歳のピーコたんと18年間いつも一緒の仔馬の縫いぐるみと一緒に点滴にやって来てくれました。仔馬は点滴中ず~と見守ってくれているようです。私が意味なくお馬さんのしっぽに触れるとピーコちゃん、怒るんです。不機嫌顔になっています。お供の仔馬ちゃんが何やらピーコちゃんに言っていますよ。「もう少しで終わるから、もうちょっとの辛抱、我慢してね。」。緊張の面持ちの中でもピーコちゃんは耳を傾けていました。 先日、私にとっては初診で来院してきたSさんのクロたん。クロたんは12歳です。診察台で初対面です。「はじめまして」こちらから声をかけると”ニャン”と返事をしてくれました。飼い主さんが驚いたようで、「この子は先ず人前で鳴くことはありません。はじめてです。」「そうなんですか。」と声をかけ、クロたんの皮下点滴に入りました。所定量がきたので「終わりましたよ。」って顔を見ながら言うと「ニャン」と再度、言ってくれました。またまた飼い主さんの驚きよう。きっとありがとうって言ってるんですね。クロたんは。今度は私の方がびっくり!何がと言うと飼い主さんがクロたんの代弁をしてくれていることです。診察室では日々ドラマがありますね。 お~、侵入者だ!!違う、違う、ボクだよ。 居候のユートピアに一歩立ち入ると、いつも洗礼を受ける。彼らは一斉にそれぞれの顔で視線を向けてくる。ちなみにうちの真っ白な毛並みのペルシャ系のシロは、アーモンド形の大きな黄色い目を一〇にしてじっとこちらをみつめる。じっとこちらをみつめる。ちょっと皮肉っぽく「人間道も獣医道もちゃんと本気でやっとんの?」と言いたげに自分には思えてしまう。「ちゃんと勉強して、ちゃんと病気を治してくれよ。」とでも言っているようだ。「お前がしょぼくれて居る時にはちゃんとなぐさめているだろう。僕たちは。」それに「しょぼくれず、さあ、がんばって働いてこい。」とも言ってるようだ。 ピラ&アゴちゃん お二人いつも一緒 どろぼうちゃん すまし顔