Something

Takeshi Hirano

旅立ち

6月juneは「生命(いのち)楽しきかな水無月(みなづき)来たりなば」とロバート・ブリッジスが歌っているように楽しい月。june brideなどといって花嫁も多い。youngと縁がある。6月22日はsolstice夏至でmidsummerともいう。夏の夜の夢など楽しい。
[英語一日一言:岩田一男著より]

ガクアジサイ(庭に咲いた)

6月は心躍る月ですか?うーん、確かに?・・・アジサイが似合いますね。今年も当院駐車場壁面の監視モニター上に作り上げている古巣(昨年作ったもの)にやって来てくれ、何のトラブルも無く親子共々巣立っていきました。6月初旬のことでした。その後1度だけ、親子で遊びに来てくれましたが、それ以降は来ていません。梅雨入り前に2回目の子作りに来てくれる期待もしましたが、どうも気配がしません。ちょっぴりさみしいですね。

今年は3個抱卵していた様ですが2個は無精卵だった様で1羽だけ生まれました。(地面に落としておいた殻はちゃんと3個分ありましたから)ツバメの”1人っ子”でした。いつもの年なら3~5匹が巣立って行くのですが、今回は1羽の雛を御両親が一生懸命育てている姿、行動がスローモーションの様で私の脳裏に克明に刻まれました。口移しに与える餌のやりとり、巣立つ前の飛行準備、飛行訓練の指導、・・・改めて親の愛情の深さに感じ入りました。無償の愛ですね。私、人間を長くやって来て、今さらこんな事をつぶやく様では?すでにこの世に存在しない両親の愛をだぶらせたようです。

ワンツーマン教育

毎年Something記事でツバメストーリーとして語っているので先ず一番の報告となっていますが、今回のメインテーマは実は当院で長年活躍されましたS先生がこの6月の末、退職されます。先日、送別会をいたしました。これから、S先生の話になります。

H動物病院院長:
「お疲れさまでした。御苦労様。早いですね。あれから10年以上の歳月がたったんだね。」
S先生:
「はい、長い間お世話になりました。」

S先生はH動物病院(当院)の主軸として動物医療を通して、地域の皆様(飼い主さん)やその家族(患者さんである動物達)に絶大なる信頼を受けられた獣医さんです。私達職員一同も実にさみしくもあり、名残惜しさで一杯ですが、故郷のある山陰で、今度ピッコロ動物病院を開設されます。当院やこの地域の皆様には誠に残念な面もありますが、故郷でもこちら同様すばらしい愛情に満ちた動物診療を展開されると確信しております。どうかS先生に心からの祝福を送ってあげてください。

S先生との出会いは2002年にまでさかのぼります。当時、私とスタッフとの間で交換ノートをやっていました。互いの意思疎通を図るためです。S先生もT大学獣医科を卒業され当院に勤務されたその日から毎日交換ノートのやりとりをおこなっていました。彼女は365日、1日も欠かさず書いてくれていました。そこでこれから獣医師を目指そうとする方や看護師の皆様、卒業後臨床獣医師を志す方々に読んでいただければこれ以上の事はないと思い、ご本人に了解の上で”若い先生との交換ノート”と題して冊子にして配布しました。

S先生は既に立派な臨床獣医師にとなられており、当院をもうじき巣立っていきますが、これからが本番ですよ。がんばって…こちらこそ長い間、先生有難うございました。
最後に贈る言葉を・・・

命を知り、学び、考え、共に生きてくれる人のおかげで多くの人(動物達)が生きていけます。だから、どうか、疲れすぎない方へ、気力と体力が充実する方へ進んでください。あなたのベストがあらわされるように。

ps:ピッコロ動物病院のピッコロはS先生の小学生の時飼い始めた犬の名前です。当院に勤務し始めて数年後、既に高齢になっているピッコロの治療の為に何度も広島と故郷の島根にある実家まで往復されていたのが思い出されます。